教育関連リンク集 | 画像・素材 | コンピュータマニュアル集 | ソフト集 | 本・情報 | 特 集 | みんなで話そう | 研究会概要 | 会員登録 | TOP |
ご感想等ありましたら、掲示板に書いていただければ励みになります。 掲示板へはTOPページからお入りください。 |
---|
第1回「ブラッとシスコへブラット買いに」はこちら |
第2回「The Way To Heaven - VWを買いに -」はこちら |
昨夜は慣れないキャンパーの中で眠りにつくのが難しかった。 予行演習のつもりでTedの家の庭にVWを停め、外部電源を接続、買ったばっかりの寝袋で寝た。 通りを挟んで24hrのガスステーションが、また100フィートのところにBeach Blvdがあるのでメキシカンローライダーの大音量スピーカーや、高速で走る車の騒音、おまけに近隣の子供を虐待する音?がかうるさくて眠りにつく事が出来なかった。 枕を買ってこなかったのは失敗だった。買って来た寝袋に枕がついていたが、格好だけで、普段枕をしっかりと頭の下に置かないと眠れない癖のある当方としては、非常に眠りにくい。 明日からの用意として、清水タンクにベーキングソーダーを入れた。明日朝に排水して、またクリーンな水を入れればきれいな水を飲める。 Tedと私の写真を撮り、いよいよ出発。 605を北上中、外部ボディの給電蓋がパタパタと音を立てていたので、給油ついでにテープでとめる。101からリトルトーキョー、ミツワスーパーにいき、食料の調達。101からハリウッドで170へ入り、5にmergeする。(日本語が出てこない)6 Flag Black Mountainあたりからの上り坂で1、2速を使わないといけないような渋滞に出くわした。非力なVWとしては厳しい。 30マイルも続くキツい上り坂もそろそろ終わりのランカスターへの138分岐前で「プッ、プッ!」と後続の車がクラクションを鳴らすような音がした。 左の追い越して行く車を見ると2、3台何もないようにそのまま言ってしまうが1台はじっとこちらの車を見つめていた。 その瞬間、何気なくメーターを見ると水温が急上昇、赤いライトが点滅し、オーバーヒートを示している。 すぐさま右側帯まで移動し、そこで停車、エンジンを止めた。右後部からは水蒸気の白い煙がすごい勢いで吹き出し、2、3分は止まらなかった。 収まってから後部下を覗いたが、どこにも悪いところがない。リザーブタンクを見ると冷却水は適量入っている。10数分してから再度エンジンをかけてみた。どうも普通に戻ったようだ、しかし適温を越してからの水温上昇が今までよりやや早い。これでは1マイルも走らないうちにオーバーヒートするだろう。 Tedから借りていた携帯で、彼に2度電話するも不通である。 トラブルの簡単な症状と停車場所をメッセージに残すと、数分してから電話があった。 ここから遠くないところまで来ていて、運転中だったそうだ。場所はLancasterに行く138号線を少し入ったところで、路肩に止めている事を伝えると、 「すぐにそちらへ行く。」 と言う。 1時間もしないうちに後ろからクラクションが鳴り、Tedが着いたのを知った。 「Kenny、申し訳ない事をした。前からの夢だったろうヨセミテ行きをこんな形で中止させてしまうなんて。このシリンダーヘッドを修理した修理工場め!とんでもない修理をした。金は全額返すから。」 と言ってくれたのだが、ここまで来て、それに気に入った車はこれからも見つけるのは難しいので、 「Ted、この車は俺が気に入った車なので、返す考えは毛頭ない。それよりも、原因を探して早く修理しよう。」 しかしながら、ここから次の上り坂にある給油地点まで数マイル。Lancasterへは30マイルある。とんでもない人気のないところで、修理工場はおろか、こんな20年ほど前のVWの特殊なパーツがある訳でもないので、直るかどうかは心配であった。 「Kenny、幸運な事に今日は、ジャンク屋のパーツ取りのために滅多に持たない工具と汚れてもいい汚い服を用意していた。」 と言って着替え、早速後部エンジン下に潜り込んだ。 「エンジンヘッドが問題じゃあない。ラジエーターホースの取り付け部でホースが切れて水が漏れ、エグゾーストマニフォールドに当たっていたんだ!」 これはエンジンが壊れていない可能性が大だ。 続いて下に潜り込んでみると、なるほど、取り付け部で切れている。細いホースでほとんど真っすぐながら、切れている部分を切り取っても届くぐらいの長さはある。 「Ted、遠くまで走ってあるかどうか分からないホースを探すより、ホースの取り付け口を切り取りつけ直したら大丈夫じゃあないか?」 と言うと、早速、彼は破れたホースを取り外し、穴の開いたところだけをスムースに切り取り再度取り付けた。 「Kenny!、ずいぶん冷却水が漏れたようだから、ちょっと走って近くのパーツ屋で冷却水と汎用ホースを買ってくる。誰かが車にいたずらしたり、持っていったら困るのでそこで待ってくれ!」 「ところで、ガンは持っているか?」 とTed。 「ガンは持ってないけど、空手のマスターだから大丈夫。なんかあったら、エイやっと。」 「そうだな、表面上分からないもんな。」 と変なところでうなづいた。 空手はガンと同じぐらいに威力があると思っているらしい。 小一時間待ったと思う。クラクションが鳴った。 見ると、下の側道に彼のメルセデスを止め、買って来た冷却水を両手に持って、急な土手を上がって来た。 「ここからLancaster に行く138を少し走ったら、小さな町の雑貨屋に冷却水があったので買って来た。ホースはなかった。」 冷却水を入れ、慎重にエンジンを再始動すると、つないだホースからの水漏れは今のところはなく、水温の急な上昇もない。 「Kenny!. どうやらうまい事収まったようだ。しかし、大量の水を失って給水したので、空気抜きをしなくてはならない。坂道にVWの頭を突っ込んでラジエーターの位置を上げよう。」 エンジンを3000回転ぐらいに保持したまま、ラジエーター横の空気抜きバルブを緩めると、冷却水にある空気の固まりは傾いて上にあるラジエーターに集まって来て、そこから逃げて行く理屈だ。いくらウオーターポンプが働いても空気ばかり送ったら水が行かないのでまたオーバーヒートする恐れがあった。リヤエンジン、フロントラジエーターのVWは長い冷却水経路を持つので、途中で空気の固まりが発生すると大トラブルになる。 この処置後は水温の上昇はなく、ヨセミテへのロングドライブも大丈夫そうなので、再びTedと別れる。 「Kenny! 心配だから途中時々電話をくれよ!国際電話は問題だけど、国内はいくら電話しても大丈夫だから。」 とありがたい言葉。 |
Turale Motel 6を8時50分にチェックアウト。 すぐそばにあったと思ったスタバを探すのに走り、見つかってメールチェック。コーヒーとドーナッツで朝食。 63を北上。 Visaleはクリーンできれいな都市だ。ロスアンゼルス辺りでも見た事がない。ここに日本でダスキンが提携していたLong John Silverの店を見つけた。アメリカでも滅多にない。 198に突き当たり、今度は東に10マイル走行、Extereの看板で降り、2マイルほど走るともう小さい町の中心部。 ガソリン残量が半分なので、ここいらで満タンにしないとヨセミテまで走られない。ほとんど平坦路走行は、135マイル走って6.476ガロンなので20mpg走っている。スピードを落とせばもう少しはのびるか? ガソリンステーションになぜかタイレストランを併設している。 キャッシャーの姉ちゃんにディスカウントソーラーのPlum Drの場所を聞いても分からない。 「向こうの地図で調べてみたら?」 と言う。 方向が分からず地図の見方に困ってたら、彼女が来た。 「道を戻ってメモリアルビルディングを左に曲がったところでしょう。」 街全体が小さいので、何度も行ったり来たりする間にPlum Drを見つけた。 しかしこの辺りは住宅街なので、商売が出来るはずがなく、またショップらしいところがない。 再度、アドレスを確認するとそこに屋根の上に2枚ソーラーパネルを置いたうす汚い家があった。 トラッシュコンテナーの陰で白い毛が見え隠れしている。よく見るとブロンドのおばさんが掃除をしていた。 「ここはひょっとしたらDiscount Solar?」 「そうよ、ちょっと待って、息子を読んでくるから!」 中からごそごそと出て来たのは20歳ぐらいの細身の男性だった。まさか、こんな汚い家がそうだとは思わなかった。 キットの装着を頼んだ。土曜は無理だったが、今日、日曜は大丈夫らしい。 全世界を相手にするショッピングサイトのDiscount SolarはJohnがやっている。 彼の部屋にPCがあり、そこでウエブの管理、ショッピングホームページをしている。 父親は60歳を超している様に見えるが、ずいぶんと年が離れている。パネル、チャージコントローラーの装着を依頼したのだが、どうも要領が悪い。 FRPルーフを穴開けするときは、下にマットレスがあるからと3度も注意し、 「穴あけ位置をマークして、ルーフをあげて間隔を空けてからしてくれ。」 と言ったのに、トップを下ろしたまま勢いでルーフに穴をあけてしまった。 後で見ると、テントに小さい穴があいている。なんとか直せる大きさだから細かくは文句を言わなかったが、ソーラーパネルのボルトをシーリングのため2回脱着を手伝ったら、 「そんなに早く外せたのか?」 なんて言ってた。 あまり手際の悪さに自分自身気がついていないようだ。 母親は 「ご免なさいね、あの子しかこういう作業が出来るものがいないの。だけど、何しろ初心者で慣れていないの!」 「工賃は1時間$25、それもこちらが手伝って」と最初に言ったものだから、まあいいやと思ったけど、これは高すぎる。 親父が 「何だ『15分の仕事』と言ったじゃあないか?」 と息子に言うと 「だから工賃を$25にしたんだ!」 と切り返した。 この作業に4時間はかかりすぎる。ずいぶん手伝ったし、配線、穴あけ位置、防水作業とかをこちらが反対にアドバイスしてやった。 これ以上まかせたら、時間がかかりすぎるので、配線の取りまとめ、冷蔵庫への配線はご遠慮願った。 これが初めてなのか、作業マニュアルを見ながらの配線なのでこちらも心配だった。設置、配線は順序よくやらないとヒューズを飛ばしたり、機器を破壊しかねない。まずカリフォルニアの強烈な太陽からソーラーパネルを遮り、電力発生を中止させる。そのために段ボールでパネルをカバーし、それから、ヒューズ、配線をバッテリーに接続する。ここでおもむろに段ボールを取り去ると、コントロールパネルは3.4 - 4.0A, 13.0Vまで示した。昼もすぎ4時近くになり太陽も傾きかけ、おまけにパネルはルーフを上げたので傾いて、太陽との角度は良くなかった。これだけ発電すれば良いだろう。条件が良ければ6アンペア、72Wぐらいは行きそう。 ここExeterは人口が数百人ぐらいの小さい町で、ジョンは先日近辺でソーラーパネルの取り付けをやろうとして、電信柱に車の後部を当て、地域一体を停電させたらしい。それで新聞社から取材を受けて、地方新聞の1面に載ったとか、お母さんが言っていた。 しかし、本当に質素な家でよく働くお母さんだ。フロアーに屈み込んでフロアのめくれを修理したり、不要物を整理し、ゴミ箱に入れたり、自転車のラックをフリーマーケットで売るため磨いたり、休む間もない。 「遠くロスアンゼルスからここにやって来て、VWにソーラーパネルをつけるなんて珍しいから、また新聞社から取材が来るかもしれないわ。」 と言っていたが、とうとう来なかった。 我がソーラーパネルは音も立てず、文句も言わず、これから働き通し、数十年電力を作ってくれる。 大げさじゃあなく、このパネルは25年の保証期間がある。最も動く部分がどこにもないので、ぶつけたり、物を落としたりしない限り壊れない。もし、災害にあっても、電力だけは大丈夫。何しろ小さいけどちゃんとしたキャンパーなのでガスレンジ、冷蔵庫、50リッター水タンク、100V/400Wを発生するインバーターが設置されていて、このまま家出できる。おまけに携帯電話、マック、ビデオウオークマンとあれば、娯楽も問題がない。 ちょっと時間を食った。(アメリカ人の事だろうから最初から半日仕事だろうと思っていた、しかし、自分でやったら、おそらく2時間で終わっていた。) ジョンは若いのにショッピングウエブをやっている事もあるんだろうけど、ケチだ。値引きは一つもしないし。110vインバーターを買おうとしたら定価を示した。 ポケットの中のキャッシュすべてを渡して、 「もうこれだけしかない。」 なんて言って、$28にまけさしたら、悔しそうな顔をしていた。 4時に設置完了し、一路ヨセミテへ向けて出発。 途中、Tedが心配して電話をかけてきてくれたが、もちろん、何もなく快調に走っていて大丈夫、大丈夫。 Fresnoの手前から99から分かれ41に入る。 見渡す限りの大草原、ぶどう園を突っ切りながら、だんだんと山の奥深く入って行く。片道2車線が2車線になると、追い越し禁止区間で急坂はこの重い、アンダーパワーのVWではぜえぜえときつく、後ろに何十台も連なってしまう。所々に追い越し専用の2車線が作ってあるので、逃げるように右車線に滑り込むと、ここぞとばかりに後続の車が十数台追い越していく。4速には入ることはなく、ほとんど3速、3200回転、40マイルで山道を登る。41Endのサインが見えたと思ったら、コンクリート舗装からアスファルト舗装に変わった。深い森を抜けて右奥を見ると、まだ雪が残っている。しばらく前まで降雪があったようだ。 ヨセミテナショナルパークの入場料は$20と入門ゲートに書いてあった。 しかし誰も係員がいないのでそのまま通り抜けた。駐車場に止まっていた人たちに聞いても 「出るときに領収書を見せなくてはいけないので、そのときに支払うのではないか?」 と言う。それも確かではない。 だんだんと日が落ちてきた。 完全に夕闇の帳がおりる前に、キャンプグラウンドを探さなくてはいけなかった。途中数人に聞いて当たりをつけたところをやっと見つけ、料金所に行くと誰もいない。もう7時近くになっているので帰ったのだろう。 大型キャンパーの傍に立っていたおばさんに聞くと 「封筒をとらないとだめよ!」 と言ったけど、どこにもそんな物がない。 「夜遅く予約してなくて入った人は78、79、80、86、・・に泊まってください」と料金所に張ってあった地図の入り口からずいぶん離れた86番に車を止めた。周りはテント、BBQグリル、ランタンを引っ張りだしてもう完全にアウトドア生活に入り込んでいる。日本と違って、クリーンで、静かでみんなよくルールを守っている。12時を過ぎて、ぺちゃくちゃと話し声が聞こえたり、花火を打ち上げたりと言うことは滅多に起こらない。パーキングスペースの後ろにはドラム缶を1/3に切ったようなBBQのサイト、6人が座れるデッキ、それに熊対策用の頑丈な鉄の箱で出来た食料入れがある。夜真っ暗なところで熊と出くわしたらびっくりだろうな。 先日買ったジムキャリー主演の"Unfortunate Story"のDVDを見ていると、じんじんと寒さが身にしみて来た。外気温は10度以下に落ちているに違いない。 ドアを開けて、空を見ると満天の星。こんなに星って明るかったのか、と思うぐらい大きくて明るかった。時間が経って三日月が出るようになると、星たちがフイッと消える。月があまりにも明るすぎるからだろう。 阪神大地震の際に死んだ親父の夢を見た。親父と一緒に模型飛行機を飛ばそうとしたら、コントロールラインが高圧電線に引っかかった。また、何か親父が問題解決のために歩き回り苦労している姿もあった。なぜこんな夢をヨセミテのキャンプグラウンドで見たのだろう。 ヨセミテバレー手前の最後のビッグショッピングモールのVONSで買った寿司デリとサッポロ一番をミラードラフトビールで流し込んだ。ギンギンに冷えた寿司と言うのは食いにくい物だけど、マイクロウエーブオーブンがないので仕方がない。カニもどきロールとエビにぎり寿司(何か日本語がおかしくなって来た)にわさび、醤油、ジンジャーが付いている。温かかったらおいしかっただろうな。 ああ、そうそう、ここにも店の一角に小さなスタバがあった。さすがにホットスポットはやっていなかったのでメールの確認が出来ない。 |
7時前に起床。慌ただしくルーフを下げ出発した。 ひょっとしたらまだ料金所に誰もいないので料金$18を支払わなくても良いかもしれない。と、みみっちい考えが浮かぶ。幸い誰もおらず、そのままバレーに向けて出発。 3速で5000から6000フィートまで駆けあがると、突然、森の奥で深い積雪がまだあるのが見えた。 ここが峠でこれからYosemite Valleyまで下り道である。 ”ヨセミテ”は日本式発音がまだ直らず、どうしても分かってもらえない。”ヨセミティ”。第2音節にアクセントがあり、最後の”テ”は”ティ”と小さく発音しないと本場の英語らしく聞こえない。 ここから先は絶好の景勝地Vista Pointで、パーキングがあちこちにある。 歩き回りデジカメにおさめた。どこもかもあまりにも雄大なのでデジカメのレンズには収めきれない。上ばっかり見て歩くので首が痛くなる。Fallに入る橋のたもとのパーキングにバスが止まって、多くの日本人観光客が固まっている。 一番にぎやかそうなところのパーキングに車を乗り入れた。 ”One Day Parking Only”と書いてあるのは、こんなところでRVを止め宿泊する輩がいるんだろう。書いてなかったらこちらもやっていただろう。ルーフを上げ昼食の準備をした。Vonsで買った冷凍ミートローフがある。そしてCostcoで買った24個$6のカップラーメンもある。冷蔵庫内に氷の固まりを突っ込んであるが、半日もするとミートローフの半分は解凍していた。ナイフで1/4切ってパンにふたをして蒸し焼きすると結構おいしい。この際、小さいタマネギ(キライなのです)は無視して飲み込んでやろう。ビールがよく冷えているのでお茶代わりに飲む。 気温はそんなに上がっていないのに、直射日光が突き刺すように強い。 充電パネルを見ると4.9アンペアまで電流があがっている。これはベストアングルだと6アンペアまでいきそうだ。マックス75Wの発電能力があると言うのはまんざら嘘ではなさそう。無尽蔵の太陽エネルギーを手に入れられるのはちょっとした感動だ。 地図がないので、パ−キングそばのフリーシャトルバス停留所からバスに乗り込み、アナウンスの内容、降りる人間の多いストップ、景色の良さそうな順番に降りる事にした。滝は上段、下段と2ステージある。バスは上の滝までいくと言うが、ずいぶん先そうなので今回は止める事にした。 ビジターセンターの映画"SPIRIT OF YOSEMITE"は感動物だ。 バンク・オブ・アメリカ、コカコーラ等大企業が協賛して作った1時間弱のフィルムにヨセミテの自然、歴史をすばらしいアングルから撮影している。DVDがあったので買った。帰ったら、日本語ナレーションもあるので友人に見せてやろう。 帰りは歩き。 滝へは大した事ない坂道だったけど、このごろ歩いていないので疲れてしまった。橋のたもとのパーキングにまた1台日本人団体のバスが来ている。日本人向けの観光名所なんだ。 2マイルほど奥に行くと、右に「Camp Ground Reservation」とあったので入ると事務所があった。 車が大きくても小さくても一緒で1台、1人で$18である。電源設備はなし、近くに便所、BBQ、熊よけの食料庫があるのみ。ルーフを上げ、上に横になると急に睡魔が襲って来た。 うつらうつらしていると、何か下でカサコソと音がするのに気がつき、見てみるとリスが上がり込んで食い物を探していた。 「コラッ」 と言うと素早く逃げていったが、油断も隙もありはしない。 危うく秘蔵の”カッパエビセン”をとられるところだった。 前のスペースにシェビートラックが引っ張る30フィートぐらいの大きいフィフスホイールトレーラーが来た。 リタイヤした夫婦が定位置にパーキングし、車止め、トレーラーを固定、スライドルームを外側に引き出し、オーニングテントを延ばし、デスク、チェアをドア横に置くまで3時間ほどかかっていた。これぐらいのキャンパートレーラーだと、日本の1LDKより広く、もちろん、トイレ、バス、キングサイズベッド、リビング、冷蔵庫、マイクロウエーブオーブン等何でもそろっていて快適だが、取り回しが大変だ。わがVWは到着して、数十秒でテントをあげ終了できるので手間がかからない。 3/4残っているミートローフをパンに入れカバーし、とろ火で加熱するとうまい具合に熱が回る。冷蔵庫のミラードラフトと一緒に食べると満腹になり気持ちがよくなる。油でぎたぎたのフライパンの後片付けは面倒くさいので明日にする。 ライトを持ってこなかったのは失敗だった。車内灯を点灯すれば明るいが、メインバッテリーの電圧が下がって、明日始動出来なくなるかもしれない。当然やれる事はDVDを見る事しかなくそうそうに眠る事にした。 |
7時半頃テントを下ろし、撤収。 VWは本当に簡単。入り口に居たおっさんはまだ出勤していないのか不在でフリーパス。 ここからは下り坂がほとんどだ。信州木曽路の川沿いを走る風景とそっくりなところが数多くあり、時々日本を走っているのではないかと勘違いする。 川は波高が3mから5m以上とかなり荒い。カヌーイストにはこの延々と続く荒々しい川下りは大変だろう。 途中のモーテルに車、身の回り品を預け、ヒルクライムをしているサイクリストを多く見た。30から60歳ぐらいか。老若男女を問わず幅広い人達が楽しんでいる。 132号を右折。SF方面へ向かう。 美しい田園風景が続くとても開放感のある良い景色だ。通り過ぎる車も大変少ない。尾根を通るくねくねとした急坂があり、非力なVWは苦しい。またも後ろに4WDが2、3台金魚の糞のようについて来た。電信柱や人家が多くなるとごみごみとした人間の居住空間に近づいて来たのが分かる。 Martela?に入る。 ここはメキシコ系住民が多いのか、お世辞にもきれいとは言えない町並みで雑然としている。132号は幹線の5号を横切り、SFと内陸を遮る山脈に登ろうとしている。 看板には”RV、トラックは横風に注意しろ”とある。アメリカの看板は日本のように中途半端なことを言わないので、その通りにしないと本当に怖い目に遭う。”最高30マイル”と山道にあったら、その通りにしないと、特にVWなぞは道を飛び出してしまう。ボクシーなVWのハンドルをしっかりと持たないと、あらぬ方向に持っていかれる。 VWは大変調子よく、ロスアンゼルスから出た時より力が強くなっているのかと思う程、グイグイと60から65マイルで坂をのぼっていく。 頂上を過ぎ、坂を駆けおり、平坦路に入った時に、左後部から「バン!」と大きな音が聞こえハンドルが大きく取られた。 「来たな!」 と右2車線を急速に移動し路肩に止めた。 なにか後ろに転がっていったのが見えたのでその方向に探しに行ったが、何も見つけることは出来なかった。 車に帰りタイヤを見ると大きく破裂し、スチールワイヤまで飛び出している。 これではいくら空気を入れてもダメだろう。先ずは、頭を冷やして、のどを潤そうと冷蔵庫からギンギンに冷えたミネラルウオーターを取り出し飲んだ。 ジャッキ、レンチ、工具を出し、おもむろにタイヤを交換しようとした。 緊急用の工具しか買っておかなかったので、ホイールキャップをはずすのに手間がかかった。ホイールナットは、レンチを蹴飛ばすと滑って角をなめるばかりなので、レンチに足の裏をかけ、「えいやっ!」と全体重をかけるとクイッと回ってくれた。フロントバンパー下のスペアタイヤを指で押さえると凹む程空気圧が低い。後で自分で格納するとき分かったが、オーバーサイズのタイヤは、標準空気圧を入れるとここに格納できない。タイヤを交換し、1/2マイル先の出口まで時速10マイルぐらいでのろのろと走った。 幸い、出口は1/4マイル先に見える。 右に曲がれば必ずガスステーションがあるはずと考えた。ガスステーションで空気を充填。次いでにガソリンを入れ、パンク充填剤を買った。 ここはLIvemoor市郊外なので中心まで行けば、タイヤショップを探す事が出来るはずと走り出した。 しばらく走るとファイアストーンのタイヤショップを発見。 中に車を持ち込み、後輪2本交換を頼んだ。VW推奨の185ーSR14Cは在庫がなく、205-SR14Hと乗用車のタイヤを持って来た。 空気圧は推奨の48LBSは入れられず、35LBSを入れたと言う。 「またタイヤがバーストするのではないか」 と心配で聞くと、 「大丈夫だ」 と言うので一応信用した。 リフトに乗っているVWを下から写真に撮っていると、メカニックから 「危険だから、出ろ!」 と叱られた。(ごもっとも。) 叱られる前に、メカニックの目を盗んで、傍らにあったオイルスプレーを固かったシフトリンケージのブッシュに注入したら、非常に軽くなった。やって良かった。 途中、Tune & Oilショップを見つけたので、いつ交換したか分からぬオイルとフィルターをここで交換する事にした。最初に20−50Wと言ったのに、またも聞いていなかったのか、 受付のおっさんがメカニックに 「0−30W」 とオイルの種類を間違って言った。 大声で 「20-50Wだぞ!」 と言って、間違いに気づきやっと変更してくれた。 ここでは本当に注意していないとまともに物が進まない。 「住所をここに書け!」 と言うので、 『Tokyo, Japan』とのみ書いてやった。 陽気なやつが大騒ぎで 「ヘイ、みんな聞いたかい!トーキョー、ジャパンから来たんだって。」 「どうだい、トーキョーの天候は?」 「何をしているんだ?」 「こちらに来てから何日だ?、、、」 と次から次へとうるさい。 このあんちゃんに近くのスタバの住所を聞いた。 「この道路をあっちに、信号2つ目を左に回ったショッピングモールの中にあるからすぐに分かる」 だいたい、こういう手合いの連中に道を尋ねて、まともに行く事が出来たためしがない。 案の定、2つ目の信号は住宅街。3つ目の信号にモールがあった。Panda Expressで昼食、隣のスタバでメールチェック。 508号はだんだんと混雑しだした。SFに近づいている。 Oaklandを過ぎ、左に行けばSF、真っすぐ走り北上。 Berkleyを通り過ぎやっと最終目的地のRichmondに着いた。今日の宿もMotel6と決めていたが、フリーウエイから見た看板に”各室ハイスピードインターネット”とあり、これにつられて次の出口を降りたが、このスーパ−8モーテルを探すのは入り組んだ道に入ってしまったので一苦労した。料金は$60と少し高いが、いつもと違ったモーテルに入るのも良いだろう。それにインターネットが無料だし。3日分の汚れをたっぷりとバスの中で洗い落としたら快適、快適。それにマイクロウエーブオーブン、冷蔵庫、ソファー、デスクまであってさすが高い分だけある。これからはこのモーテルも宿泊候補に入れよう。 iBookからのLAN設定は非常に簡単で、自動的に繋がった。スピードも家のDSLと変わらないほど速い。 カウンターのおばさんに近くの日本料理店を聞いたら、机下のあんちょこを取り出して何か調べ、メモに書き出し渡してくれた。8マイル先にMOGAMIと言う料理店があるそう。 「8マイルとは遠いな?」 と聞き直したら、こちらの聞き間違いで0.8マイルとそう遠くはない、歩いてでも行けるけど安全のために車で行く事にした。 MOGAMIはアメリカにある典型的な2、30人ほどしか入れないこじんまりとした日本料理店だ。 メニューも似たり寄ったり。何かの集まりだろうか、10人ほどの日本人、30歳から60歳の男女のグループが日本の話題で騒いでいる。このごろ日本人をほとんど見なかったのでこれだけ多くの日本人が近くで話しているのを聞くと、何か不自然な感じがする。1時間以上この店に居て、こちらの他に誰もお客が入ってこない。ふりの客はこない店らしい。 キャンプグラウンドでミートローフを料理したフライパンは、油と肉の残り物でぎたぎたとしてペーパータオルで洗い落とす事も面倒なので、そのままにしていたが、モーテルのペールボックスの中に温水と洗剤を突っ込み、翌朝洗う事にした。 セーターに着いた食い物のシミはスポーツシャレーで買ったキャンプ用天然洗剤をつけてこすると、簡単に落ちてしまった。食器だけでもなく、衣類にも使える。キャンプ地で使うには池、川から200フィート離れたところで10インチほど穴を掘って、その中に捨てろと書いてあった。地中のバクテリアが分解するらしい。 スバル(ブラット)を預かってもらっているTravisに電話をすると不在。メッセージを残すが折り返し電話をしてこない。 |
快眠。7時に目が覚め、寝直し、起床は8時過ぎだった。 散らかした物を整理、バッグに詰め込む。このごろ要領よくなって来たので、手際がよく速くなった。忘れ物もない(はず?)。 Travisに電話すると電話口に出て来た。 「夕方に会う事は大丈夫、着いたら電話をくれ。」 と言う。 キャンプで使ってまだ洗っていないフライパンを洗剤を使って拭き取る。携帯は昨夜フル充電した。 今日の予定。船会社 AM10:00, Richmond 駅 AM11:00, San Jose PM0:00, Santa Cruiz PM2:00 Denny'sで朝食。シニア向けのメニューがある。普通モーニングメニューが$6であるのに、$4.90と少し安く、量も少ない。しかし、日本と違ってまずいコーヒーは別メニューだ。coffee $1.45。 ガソリン$15、6ガロンを給油。また道を間違ってしまった。 初めての道でマップを持ってないのだからしょうがないが。モーテルからは意外と遠い。旧事務所があったNew Arkと同様に看板も何もない殺風景なスペースの一角にあった。前の事務所と同じ人たちだ。 おばさんから 「Reservation sheetがないのか?」 と何度も聞かれたが、電話で’reservation number’をとったのみで、シートは貰ってないので、どうとも言えない。 車の中を整理。スペアタイヤの空気を抜き、フロントに格納したり、冷蔵庫内の氷を捨てたり、やる事は多い。おばさんが出て来てマークシートにチェックした。自分では結構程度が良いと思ったのに、彼女がチェックしたらあちこち「X」が入って、注意欄に「あちこちボディに傷がある」とある。 帰途の交通手段を聞くと、 「ここは港の端でバス停留所もない。」 と言う。 「あそこにイェローブックがあるから探してキャブ(タクシー)の会社に自分で電話しろ。」 と言う。 戸惑いながら探していたら、男性が電話をしてくれる事になった。 「10分から15分でくるから前で待ってろ。」 と言われ、おっとりと待ちながらTedに 「今、車を渡した。、、、」 とか喋っていたら数分でキャブが来た。 ドライバーはターバンを巻いたシーク系インド人。 89年にアメリカに来たらしい。不法滞在を続け、5年後に政府の恩赦かなにかのプログラムで市民権取得のテストを受け合格、タクシー会社に就職したと言う。すこぶる癖のあるインド英語でこちらの英語より格段に悪い。 南北に走る80号線を境に西はRichmond市で、低所得者の黒人たちが多く非常に治安が悪い。 東は山沿いに高級住宅地が多くあるEl Cerrito市で、ファッショナブルな店も多い。こちらは進学率も良く非常に治安が良い。サンフランシスコ市から地下鉄BARTが直通で走っている非常にロケーションの良いベッドタウンで、中国人、日本人も多く住んでいる。 「ユーはどこに降りたいのか?近くの黒人が多く乗り降りするRichmondoステーションか、それとも若干高く遠くなるが治安のいいEl Cerritoステーションで降りるか?」 と聞くので、 「オマエに任せる!だけども治安のいい方がいいな!」 と変に無責任な返事をしたら、 「じゃあ、治安のいい方に行こう!」という事になった。 「こんな治安の悪いところでタクシードライバーをしているんだったら、ずいぶん危険な目にもあったんだろう?」 と聞くと、 「何度か、ガンを突きつけられた。そういうときはドライバーとの間の防弾ガラスをすぐに閉める。彼奴らは命が欲しいんじゃなくて、金が欲しいんだよ。」 と売上金を取られただけで済んだらしい。 アメリカでは強盗をするときは、黒人は何かと口上をわめいてから行動に及ぶんだけど、一番危険なのはベトナム人でいきなりズドンと撃って来てから金を奪うらしい。非常に怖い。 「オマエはどこから来た?」 「ジャパン!だ。」 と言うと 「日本は物価が高いだろう?」 と、お決まりの言葉が出て来た。 「いや、このごろはそうでもないよ。デフレで何でもかんでも安くなって来ている。アメリカでは物価が高くなって来ているじゃあないか。ガソリン何ぞは2、3年前の2倍だよ。だから、日本とアメリカの物価の差はほとんどないよ。」 と説明した。 「インドは安いよ!しかし、ドルとの交換レートが悪くなったので以前ほどではなくなった。」 と帰国しても$の威力は少なくなったらしい。 メーターは$15を示していたが、面白い話をしてくれたのでチッブ$5を渡したら、 「ダンナ、そちらよりこっちを通った方が発券機に近いよ。どうもサンキュー。」 と怖そうな顔の表情を崩して挨拶してくれた。 乗り換えのMelbraneまでは$4.45だ。 例によって紙幣を入れ、ディスプレイの5セントボタンを$4.55になるまで押し続け、印刷ボタンを押す。日本のJRのように一発でおつりが出るようにしてくれた方が直感的で速いのに。ややこしい。 サンフランシスコダウンタウンを出る頃、ロングコートにだぶだぶズボンをはき、ベースボールキャップを斜めにかぶった典型的なニグロギャングスタイルの黒人の若いやつ二人が車内に乗って来た。 何やらそわそわ落ち着かない様子で、おまけにポケットに手を突っ込んでいる。 周りの乗客がこの二人を見ない振りをしているが、何か危険な空気を感じ取っていた。 ガンを突きつけられ、ホールドアップ。抵抗したら大変な事になる。 $20ぐらいの小銭だけをポケットに用意しようとしていたら、幸いにも2駅で降りていった。 1時20分Melbrane駅に到着。 前回のようなミスはなく、ちゃんとCalTrainの切符を購入。1時55分に列車が来て3時2分にサンホゼに到着するらしい。 サンフランシスコ空港のタグをつけたたくさんの荷物を持って、大声で携帯に喋りまくっているおやじと奥さんがエレベーターから出て来た。 「サンホゼへはこのプラットホームでいいの?次の列車は1時55分?」 と奥さんが聞いて来た。 先ほど、こちらも同じ事を不安げに誰かに聞いていたのに、さもローカルの人間で旅慣れているように、 「そうだ、間違いない。」 と確信を持って言ってやった。 おっさんが携帯で誰かと怒鳴るような誰にも聞こえるほどの大声で喋りだした。感度が悪いらしく、あちこちをうろうろとし大声で、 「この日本製携帯め!」 と、ここに日本人が居るのを知ってか知らずか。 「それはMade in Chinaで、台湾の会社が売ってんだよ!」 と言ってやったら、 「どこから来たんだい?」 と聞いて来た。 「日本から。」 「何日ぐらい居るんだい?」 「10日ぐらい。実はヨセミテから帰って来たばかりなんだ。」 と言うと。 「どうだいヨセミテは?」 「素晴らしいところだった。ユーは行った事があるんだろう?」 とアメリカ人だったら当然のように聞いたら、 「シカゴに住んでいるので未だに行った事はないんだ。」 「なんだ!アメリカ人だろう。アメリカ人だったら、あんなに有名な素晴らしいところは皆当然のように行った事があるんだろう。」 とこちらはつい今まで行ってたので、ちょっと自慢げに言ってしまった。 「彼女は、東京の成田に泊まったんだ。」 「あなたは、スシがお好き?」 と奥さんが聞いて来た。 「もちろん、大好きだ。貴方たちはどうなの?」 「ワンダフル!大好きよ!特にうなぎが。」 (ふうむ!ウナギが好きとは通な。) 「アメリカ人は生魚が嫌いな人が多いと聞いていたんだが?」 「昔の事で、今はスシを好きな人が多くなっている。」 突然違った話をしだした。 「オマエはゴルフをするか?日本人は、皆ゴルフをすると聞いているが。」 「いや、俺はゴルフが嫌いなのでやらない。しかしマーシャルアーツはする。」 「ふむ、そうだろう、オマエのカリフラワーのような耳を見てすぐ分かった。この前のUltimate Fightトーナメントのウイナー、、、、」 と、休みなく喋りだした。 「グレーシーが出てから格闘技の世界が変わった。」 (これは、同感だ。こいつは格闘技オタクだ。) 「俺は空手のマスターだ。ここで披露をしてやろうか?」 と言ったら、 「ノーサンキュー!」 と遠慮した。 「ところで、シカゴの人間が西部の地方くんだりまでどうしてやって来たんだい?」 「息子がサンホゼの大学を卒業するので、その式に参列してやるのと、”今まで金をかけてやった結果がどれだけの物か見てやりたいんだ”。」 と、世の親たちと同様の本音を言った。 「あいつはシカゴに帰りたくないと言っているが、俺はシカゴはセキュリティもいいし、いい都市だと思っている。カリフォルニアは気候がいいからな!まあ、しようがない。もう22歳だから、自分の事は自分で決めさす。」 先回同様のルートでサンタクルーズまで行ったので、今回は何も問題がない。 フリーウエイの途中から雨が降って来た。メトロに着いても小雨なので、このまま濡れながら、スタバを探した。重たいスーツケースをゴロゴロ転がしながら探すの憂鬱だ。メトロの近くにあると思ったスタバは200m歩いてもまだない。GAPの店があるんだったら、絶対あるはずだと思ったら、その隣の奥まったところにスタバの入り口があった。前はカフェテラスで椅子と机のみでちょっと分かりにくい。 Travisに到着の電話をした。 「着いたら迎えに行く。」 と言ったくせに、今度は面倒くさそうに 「そこまで迎えにいきたくない。」 と言い出した。 前回(ブラットを購入)の金を全部払っているから、彼も頭を低くする必要はないのだろう。 「Ben Lomondoまでバスを乗って来たら、スバルを持って行ってやる。」 と高姿勢。仕方がないので、 「なんとか調べてBen Lomondoまで行って、そこから電話をするから、車を持って来てくれ。」 と言い残し、メトロにまた帰った。 そこいらの人に聞きまくって見つけたバスは、後10分ほどで出る4時半のバスだった。 料金は$1.5と安い。東洋人らしい母と娘が乗って来た。 母が 「こっち、こっち!」 と日本語で小学校2、3年ぐらいの娘に言うと、その子は英語で返事をしていた。 「どちらまで行かれるんですか?」 と突然話しかけると、そう驚きもせず 「Valleyまで行きます、あなたはどちらまで?」 と聞かれた。 「Ben Lomondoまで行きますが、遠いんでしょうか?」 「私たちが降りるところより先のところですよ。」 サンタクルーズの郊外に日本人親子が住んでいるとは珍しい?ので更に話を続けた。 「昨日までヨセミテにいたんですよ!」 「ヨセミテはどうでしたか?」 とちょっと興味深そうに聞いて来た。 「素晴らしいところでしたね。初めて行って2泊しましたけど、あんな壮大な自然が残っているとは。」 「私たちも、休みが取れる7月に行こうとしているんですが、長くとれません。7月は恐らく、すごく混むんでしょうね。今は混んでないでしょう?」 「ええ、しかし、月曜なのにパーキングは一杯でしたから、シーズンになると人で一杯になって大変なのでしょうね。こちらから行くんだったら、132号を通ると尾根道なんですけど、車が少なく景色も良かったですね。」 「娘さんは日本語を喋らないんですか?」 「こちらに来た頃は、英語が話せなくて学校でも大変でして、今は日本語を忘れてしまっています。こちらの言う事は分かるんですが、返事が英語になっちゃうんです。」 「Ben Lomondoにお住まいなんですか?」 と、さもこちらの人間かと聞いてきたので 「いいえ、ロスアンゼルスでキャンパーを買い、ヨセミテでキャンプして、サンフランシスコの船会社で車を引き渡し、列車バスを乗り継ぎ先月置いてある車を引き取りにいこうとしているんです。」 「車のお仕事なんですか?」 「いいえ、そうではないんです。先日私の愛車を売ってしまい、それと同じ車を探したら、米国にあったので買いに来たのです。」 二人の母娘は、Valleyのバス停で降りていった。 バス車内の表示板を見てBen Lomondoの場所を気をつけていたが、外のモール看板にBen Lomondoとあった。 後ろの人に 「ここはBen Lomondoか?」 と聞くと、 「そうだ!」 と言うので、あわてて降りた。 ここはアンテナの受信感度バーが一つも出てこなく電話が通じない。 通りの向こうの公衆電話から電話をすると、 「すぐに行くのでどこに居るか?」 と場所を聞いて来た。スーパーの名前を言ったらすぐに分かったので、ここで待つ事にした。 スーパーのScarborrowは6時に閉まり、チェーンを下ろしたが、前で待つ事に問題はない。 10分ほどしたら、ハイリフトしたシェビートラックと一緒にスバルを持って来た。 「前回、オルタネーターのトラブルで高い金を払った。可哀想に思うんだったら、オマエのお母さんが負担してくれFEDEXの金$65を半分でも負担してくれ。」 と言うと。 「引き渡す前は問題がなかった、後から起こったトラブルだから支払う必要はない。それに車を無料で3ヶ月?、いや1ヶ月半も預かってやったんだから。」 とオーバーにこちらに恩を着せる。 こういう手合いのやつと少しの時間でも話をするのは嫌なので、小切手を切って渡してやった。 車は1ヶ月洗った事もないようで、ほこりが積もっていた。 「バイバイ」と言って別れて、せいせいした。 ガソリン$10を入れ、出発。 Feltonを左折するとサンタクルーズに行くはずと随分長く道を走って、やっとPCHに出くわした。もう時間も7時なので道は大混雑。日も落ちヘッドライトの明かりがないと先が見えなくなった頃Wattsonvileに近づいた。確か、この辺りにモーテル6があるとガイドブックにはあった。フリーウエイを出て、ショッピングモールを大回りすると、そこにあったが、見覚えのあるシネマが横にあったので、先回泊まったところと始めて分かった。 荷物を降ろし、ひとしきりゆっくりとしたところで、夕食に行く事にした。 先ほどモールの中にThai Chiliと看板があったのでそこに行く事にした。しばらくぶりだけどタイ料理も良い。 時間が遅かったのか、客は1組しかいなく、閑散としている。注文したトムヤンクンは本場タイより美味しい物で、これは掘り出し物だ。パイナップルチャーハンはちゃんとネギなし(ネギも苦手)でオーダー。ロスアンゼルス、リドンドビーチのタイレストランより味が落ちる。ビーフサティを頼んだ。これはビーフの質が悪くあまり美味しい物ではなかった。明日の朝食用に、残ったチャーハンをドギーバッグに入れてもらった。 会計時、カードを渡すと 「使えないので他のカードはないか?」 と言って来た。 ホテル、レンタカー、他の買い物で使いすぎてリミットに来たらし。バンク・オブ・アメリカのカードで支払ったが、破産者になった感じでちょっと悲しい。しかし、お腹が一杯で楽しい。なにかマッチングしないな! 隣接するシネマで映画を見る事にした。 SFコミック物の"Hitch Hike to Galaxy?"は上映まで30分以上もあるので、部屋で時間をつぶす事にする。雨がひとしきり強く降って来た。 シネマコンプレックスの上映室は100人以上はいる広さなのに4、5人しか座っていない。ウイークディで雨、しかも夜も遅いので少ないのだろう。英国で作られた映画の様で、このごろアメリカ英語に慣れた耳には、半分も喋っている事が分からない。モンティパイソンによくにた悪ふざけが一杯の映画だった。 |
朝早く目をさまし、外を見るとまだ雨が降っている。また寝直し。 今日はサンフランシスコ一帯、ロスアンゼルスまで太平洋沿岸は雨だと予報が言っている。 Montereyを過ぎる頃から西の空が白みだして来た。前回、写真を撮った景勝地のあたりから、予報が外れてと言うか、天気が早く進んで、快晴になった。 ゾウアザラシの群生地にストップし、昨夜のタイレストランでボックスに入れて貰ったチャーハンを食べる。 冷えていても結構いける。 近くに見覚えのある白いフォードの10人乗りワゴンが止まって、若いやつがバラバラと飛び出して来た。ヨセミテのキャンプグラウンドにキャンプを張っていた連中で、2人の日本人女性も見覚えがある。ヨセミテで3泊したので、今頃ここで会ったのだろうか?向こうは気がついていないようだ。最も私の車が違っている。 フリーウエイ走行中、左に瀟洒なタウンを見つけ、思わず降りてしまった。 端から端まで1/2マイルぐらいしかないが、通りは高級車で一杯。 時間も2時と昼食には少し遅かったが、レストランに入った。1910年頃のレストランの絵が飾ってあったので、由緒のある店なのだろう。Fish & chipsを注文。少し大まかな味だが、腹が空いていたので美味しく食べた。 $10を渡すと 「No change?」 と言ったので、つい、 「Yes」 と言ったら、なかなかおつりを持ってこない。 よく考えたら、「おつりはいらないか?」をチップがもらえるものと判断したらしい。 冗談じゃあない。$3もチップをやれるもんか。 さっきのウエイターに 「ごめん、さっきは間違った、つりは要るんだ。」 と、返してもらった。 高級な店で食事をするのは気を使う。他の客はこんなに高いチップをくれてやるのだろうか? エンジンはすこぶる快調。 途中2回ほんの少ししゃくった事があったが、無事何もなくロスアンゼルス近くに近づいている。帰宅時間の4時半頃とあって、405号は大渋滞。 今夜はモーテル6Belflowerに泊まる。 夕食は15マイルほど車を飛ばしてMISHIMAで食べる事にした。 |
スタバ/パラマウント市でメールチェック。 後数日で帰国するので、バンク・オブ・アメリカで残金を口座に入金する。 カウンターのLosieと名札をつけた感じのいい女性は、ワックスを指に2回つけても、渡した新札を数えにくそうだった。 彼女がカウントしているのに合わせ、タイミングよく、 「ナイン、テン、イレブン」 と、数字を1つよけいに言ったら、 「You are funny!(あなたっておかしい人ね!)」 と印象づけてやった。 また今度、彼女の窓口に行ってみよう。 ここは2回もBank Robbery(銀行強盗)に入られたところで、この辺りでは有名。カウンターの間は厚さ5cmほどの透明防弾プラスティックで遮られており、パズーカぐらい持ってこないと貫通しない。ポリスステーションから借りたか、貰ったかしたパトカーを通りに駐車して、時々場所を変更している。 通りを挟んだガスステーションで給油。1ガロンあたり$2.49と先週より安くなっている。満タンで10ガロンと少し入った。ちょっと待てよ、図体の大きいVWがあれだけぶんぶんまわして20mpg走り、小さいスバルは18mpgしか走らないとはすごい大食らいだ。 吉野屋に行き昼食。 ランチ時とあって、店内はいっぱい。左前にインフィニテイのジャンバーを着た、まともそうな白人男性がビーフボウルに一杯紅ショウガを振りかけておいしそうに食べていた。 前々から吉野屋がなぜここで受け入れられているのか知りたかった。 「済みません、ちょっとお話を聞きたいんですけど?」 「どうぞ!」 「吉野屋は日本ではポピュラーな日本料理のファーストフードショップで、日本人が好きなのは分かるんですけど、ここ、アメリカで、スパニッシュ、白人の方がたくさん来て繁盛しているのは、どういう理由なんでしょうか?安いから?おいしいから?健康的だから?」 「私がここに来ているのは、美味しいから。肉のクオリティがよく、ライスがおいしいのでジンジャーを一杯振りかけて食べるのが大好きだ。私の友人何ぞは吉野屋が大のお気に入りだと言っている。」 「どうだい、日本とこっちとどっちが美味しい?」 と聞くので、 「味はほとんど変わらない、しかし肉はこちらの方が多い。」 と答えた。 「私の妻はフィリピーノと中国人の混血だ。ところで、日本人は美しい人が多いね。アメリカ人はごくたまに美しい人をここいらで見つける事も出来るけど、おしなべて醜い。雑誌なぞに出てくる美人なぞを見る事は少ない」 (これは同意する) 「リトルトーキョーに行って、サウナに入り、シアツを受けるんだけど、夢見心地だね!こんなに気持ちいい事はないよ。おまけにシアツをしてくれる女性がきれいなんだ。ブスな女性にしてもらっても、うれしくはないだろう。彼女たちは驚くぐらい力が強い。」 (指の事だろうか?) 「トーキョーへいつかは行きたいと思っているんだけど、物価が高いんだろう?」 と聞いて来たので。 「いや、アメリカも物価が高くなり、日本の物価が安くなっているので、同じぐらいになって来た。ガソリン価格の上がり方はアメリカの方が激しい。」 と言って納得してもらえたかどうか? 吉野屋でオーダーにつけたアイスティLサイズは小さいバケツのサイズほどある。カップホルダーのないスバル室内にこれを安定良く置くスペースがない。シフトレバーとダッシュの間に挟む事にした。道の悪いところに来たら右手で押さえる事にしたら問題がなかった。 Costcoへ行く。 スバル用にインジェクションクリーナー(4個で$9.90)、National TreasureのDVD $18.90、Nevadosのサンダル$14.9を買う。 ペップボーイに行った。VW85のショックは前後同じ価格$34、しかし在庫がないので3、4日営業日かかると言う。帰国には間に合わない。スバルの修理マニュアル、コンパウンド、カップホルダー、as see on TV デントツールを買う。 昨日、今朝とディーンに電話をしたが、留守電で連絡がつかない。途中で連絡をしてもいいしと出発した。 彼は古くはモンキーズカー、バットマンカー等ハリウッド映画のカスタムカー制作で知る人のみぞ知る著名な人。リバーサイドから南に行く片田舎にあるサンジャヒント市で下手をすると2時間以上もかかる。おまけに55号を出てから延々数マイルもひどい混雑がある。2年ぶりだがさらに渋滞はひどくなって、遅く、長くなっている。左2車線の有料道路は日本のTACT?と同様のシステムで、機器を持っている車のみが2車線の空いている道路を走る事が出来る。ちょっと不公平な感じがする。 スバルはちょっとコントロールしにくい車だ。 パワステでハンドルが軽く、おまけにクイック。ガスを良く食うのでアクセルをちびちびと踏むとのろのろとしか走らない。少し踏み込み2500回転を超えると、とたんに活気づき、思いがけない強烈な加速をするので注意が必要。ドカン加速のタイプ。4000回せば70マイルは出ている。 ディーンの家の近くに来た。 Ramona Hywyを走り、State stを超え、しばらく走ったら右に新興住宅街があり、その中にあるはずだ。少し行き過ぎ信号のところで右折して探してみるがどこにもない。もう、仕事を終わり電話は通じないし、自宅の電話はここにないから、行き当たりばったりでもっと東に走る事にした。2マイルほど行ったら、見た事のある道を発見。左折するとそこがState Stであった。2年の間に新しい住宅街が出来たらしい。それにしてもみんな同じ作りで間違う。 今度は間違いない。 1509 Sussex Drを見つけ、停車している車を見ると彼のテイストの車ではない。おまけに車庫の中身が違っている。 前にブラットを止め、眺めていると女性が近づいて来た。 「何か御用ですか?」 「はい、確か、こちらのお家はディーンの家だと思っていたのですが。」 「彼は昨年の10月に引っ越したの。でも、仕事場は変わってないから連絡をしたら?」 「もう時間が遅いので、自宅に帰っているはず。彼の新居の住所か、電話番号をご存じないですか?」 「ご免なさいね!知らないの。でも、明日土曜も出ているはずよ。バットマン3の車を作っていると言ってたから。」 ここまで片道90マイル、2時間余もかけて走って来た。明日、同様の事はしたくない。残念ながら、今回は、お土産は郵便で送って電話だけで済まそう。リバーサイドからここに移ってから10数年、また引っ越しするなんて思いもしなかった。まあ、こちらの連絡ミスによる失敗で誰も責められない。 91号を西に710を超えるあたりでガソリンが少なくなって来た事を示す黄色のランプが灯いて来た。 計算ではまだ3ガロンほどあるはずで少なくとも30マイルほどは走る事が出来、今日の夕食の場所まで走る事は出来ると思っていたが、後ろのベッドあたりからカラカラと不審な音がして来た。91を出たところのガスステーションでガソリンを入れる事にした。$20のガソリンを入れ、リヤベッドをよく見ると、空のアルミ缶がシート下にあった。これが風に踊ってノイズを出していたのだ。 |
このごろ快眠だ。口を開けて眠っているのか、口内が乾いている。 日記も書く気もしなくなった。疲れているのか、やる気がないのか。同じモーテルにもう1夜泊まる事にし、オフィスで$58.3を支払う。週末は高くなっている。ここは他のモーテル6に比べて宿泊客が多い。それにしてもパーキングに入るときは部屋ナンバーをセキュリティガードに伝え、ナンバープレートの番号を控えられるのは過去に事件があったのか? スバルのエアコンを試してみた。 暖かい風が吹いてくるが、冷たい風は来ない。トラビスは効くと言ったが、嘘だったのだろうか?おそらくガスをチャージするだけで大丈夫だとは思うけど、こちらでやろうか?それとも日本で。フロンが適合していなかったら日本では難しいかも分からない。 スタバで朝食。 ほとんど栄養はないけど、美味しいコーヒーが飲めて、メールを送れるので気に入っている。テレビのニュースでは、ガソリンの高騰について多くの時間を割いている。アメリカ人の給与が上がっているので大した事はないと、言っている意見もあるが、低所得者は給与が下がり、どうしても必要な交通費のガソリンが上がると、家計は苦しい。4.4%の人は大した事がない。22%は非常に苦しいと言っていたような気がする。あまり詳しく聞いていなかった。 Costcoで買ったサンダルはかなり履きやすい。 こういうのは、あるときに2足買うのがいいと、経験上理解しているので、もう1足買う事にした。 マックラジエーターに行きエアコンの不調を伝えた。 「土曜は12時半で閉まるので、月曜の朝7時半か来週の土曜日朝早く来てくれ。」 と言われたが、もう帰国する。 スバルのエアコンシステムはフロン12Aを使用するはずで、現在は使われていない。日本に持ち帰ったときに充填するか? Costcoへ今日も行く。 土曜とあってパーキングも一杯。サンダルは上の棚のどこを探してもなく、一番売れるサイズらしい。あきらめかけていたときに、下にもサンダルがあるのを見つけ、探してみるとサイズ8があった。インクのリフィルが$16.9と安いので買おうと思ったけれども、プリンターの形式名が日本とまるっきり違う。外れるのを覚悟で買うか?とにかく、日本で売っている瓶の数倍大きく、おまけに値段が1/2と安い。これではカラーレーザープリンターを買うよりも良いかもしれない。インクジェットプリンターを壊れるまで使えばいいか? スターウオーズの絵本を見つけて買った。5月17日公開最終版出演人物の紹介をしている。 ビュッフェの料理が安くておいしかったので、再度行ってみた。 土曜、日曜は残念ながら食べ放題が$8.9と高くなっている。3皿とスープ3盃までは入ったが、これ以上は駄目。食い意地が張ってみっともないが、元はまだ取ってない。グリーンのジェリーに醤油がかかってしまい、勿体ないので食べたら非常に変な味だった。 Stonewoodのショッピングモールに入った。 明日は母の日とあって、家族連れで一杯だ。書店に入ってみた。驚くことに棚の一角すべてを日本のマンガが占めている。床に座り込んだ子供が数冊足元に置いて読みふけっても店員は注意しないんだな。 Tedに電話して 「今から行く。」 と言ったが、何か勘違いして門の外にいると思っていたらしく。 「いくら待っても扉を開いて入ってこないので、おかしいなと思った。」 と後で言っていた。 605号、22号は休みにも関わらず渋滞しているのでフリーウエイを出て一般道を走るとここも混んでいた。今日はどうなっているんだろうか。 Tedは、塗装屋から帰って来たVWの内装を剥がして、洗い直していた。 20年以上もクリーニングをしていなく汚れまくっているカーペットは意外にも新車のときのような色と輝きが現れて来た。Tedは非常に細部にこだわる男で、ディテールにこだわる日本人の目から見ても合格点を与えられる。 夕食に行こうと誘ったら、Tedはシャワーを浴び、さっぱりとしてアロハシャツに着替えて来た。 用意してきたヨセミテのスライドショーを見せると、食い入るように見ていた。途中の風景は 「僕が愛するマウイの風景にそっくりだ。」 とも言っていた。 「ヨセミテは小学生のときのサマーキャンプに行ったきりで、ずいぶんになる。」 「ヨセミテは7月以降になると夏の軽井沢のように人でいっぱいになるので、今の時期人が少なくって良かった。」 と(あれで少ないとは)。 Tedは、今まで日本食を食べた事がなかったようだ。 メインディッシュのテンプラ、チキンテリヤキが食べきれるか心配だと言っていた。 だが、初めての枝豆を大変気に入り、 「こんなに美味な物はない。」 と全部食べきった。 普段どんな物を食っているのか分からないが、きれいに並べられたチキン、テンプラを 「アートのようにきれいだ」 と言って、すべて食べきった。 「これは何だ、美味しいけど」 と、人参のテンプラを聞いて来た。 ベトナムにしばらく居たと言っていたが、そこでの食べ方か?ライスに醤油をかけたのであわてて止めたが、既に一杯かかってしまった。外国人のすべてがそうするように一品、一品別々に口の中で食するのではなく、 「飯とおかずを一緒に、口の中で噛み合わせて食べるのが日本の食べ方だ。」 と言ったら、初めてそうした。 けんか別れした彼女とは、昨日仲直りしたそうだ。先回、ここ日本料理店の料理が話題になり、次回は彼女と来るらしく、連れて来て本当に良かった。 |
日曜。お土産、身の回り品をスーツケースにパック。 結構重たい。 Costcoしか行くところがないのか、またフラッと行ってしまった。 今度はリフィルインクセットを購入。外でピザを食べる。、出来るまで数分待たされた。渡されたピザはどうも2スライス分はあった。昼食はこれで充分。Big5でストーブ用の固形燃料があるかどうか見たがない。$20のテントがあったが、使えるのか分からない。1度韓国製のを買った事が数回使用したらポールが折れて使えなくなった事もあり、以来、安物買いは慎んでいる。 ターゲットで同様の物を探したがない。ついでにスタバがあったのでメールチェックをする。 605号を南にSouthで西に入り、吉野屋で昼食。 ここのショッピングモールは前回来たときに比べて荒れて汚くなっている。吉野屋の隣がインドファーストフードレストランに代わり、ユニバーサルシネマの上映館であったミニコンプレックスがインド映画(英語版)の上映館になっていた。集まる人が違ったら、環境も変わるのか。まだウエストミンスター市のリトルサイゴンの方がもっとクリーンだ。 605号から405号に入りBeach BlvdのSports Charetショップに向かう。 目的の固形燃料を探していたのだが、他の物を買ってしまった。ビーパルで紹介されたJetBoilというミニプロパンカートリッジを使ったクッカーで今までの1/2以下の時間で水を沸騰させる。これがあれば、カートリッジを現地で購入し、ラーメン、コーヒー等簡単に料理できる。しかし、固形燃料は機内に携帯できるし、軽量だからどっちが良いとも言えないが。 Tedの家に行った。 午前に会う予定だった客とは会えなかったらしい。ひとしきり、彼のVWのレストア方法を聞いて勉強になった。空冷エンジンは今まで聞いた事のないノイズを発生していたので、恐らく、オルタネーターか、何かの補器のメタルがいかれた音ではないかと意見を述べた。少なくともコンロッドの音ではない。しばらく置いてもらうためスバルを中に入れた。 「昨夜、日本料理店で飲んだビール2本のせいでちょっと二日酔いかもしれない。」 と言っていた。 普段あまりアルコールを口にしないらしい。 しかし、 「料理はすばらしくおいしく、特に枝豆が気に入った。」 と言っていた。 「恐らく、アメリカ産だよ!」 と言ったら、驚いていた。 「日本もアメリカのやつを食べているのか?」 と聞くので 「9割はアメリカ産ではないかな?日本の食料自給率は3割ぐらいしかないはずだ。」 「ビーフを買えとアメリカから言われているんだろう?」 とTed。 「日本はアメリカのビーフはBSEの恐れがあるうちは買わないと言っている。アメリカの畜肉関係者もBSEがあると言うんだから間違いないよ。」 同居者のジョンの話になった。 「Kenny、ジョンは家賃を7日も遅れているんだ。おまけにルーズで仕事もやらないし、そのうちに放り出してやる。」 「仕事をしてないって、仕事は何をしているんだ?Ted。」 「彼はあそこにある車を売っているんだけど、仕事は何もしていない。イソップ物語を知ってるか?あの蟻とキリギリスの話、子供の頃、親から聞かされて未だに覚えている。彼はキリギリスで遊びほうけているけど、こちらは毎日、毎日休みなく仕事をしている。そのうち結果が出てくる。」 Tedの几帳面な性格がよくわかる。 405は日曜ともあって、すいすいと車も流れ空港まで20分ぐらいで到着した。 Tedは高級住宅街のニューポートビーチで住んでいたとき、担当エリアがSan Diego, Riverside方面であったのに、上司から「空港事務所まで出勤しろ」と言われ片道2時間の通勤をしていたと言う。8時半の定時に出勤するためには、余裕を見て朝の5時半に自宅を出て、ドライブ。しかしながら「往復4時間も費やすなら、自宅から電話をして営業をした方が無駄な時間を省いて仕事に専念できる」と上司に訴えたが、受け入れなくて会社を辞めたと言う。 Century Blvd と405の出口にあるモーテル6に送ってもらった。 親切にもチェックイン確認まで車を止めてフロントまで待ってくれた。近い将来に共同ビジネスを立ち上げられる事を願い別れた。 Tedが 「良い友達が出来てうれしい」 と言ったのには泣けた。 Tedとは最初からなぜか波長が合った。俺と同じような人間なのだろう。 ミツワマーケットで買って半分残っていた『ソーメンキット?』を作ろうとした。 まだ、固形燃料が残っている。ふと気がついたら、キャンパーで使ったガスライターがない。煙草を吸わないので、マッチ類を持ち歩く必要がないのだが、火をつけられないと、ソーメンどころかライスも出来ない。モーテルを出ると、通りの向こうにリカーショップを見つけ向かう事にした。おかず、総菜らしき物は何もない。ウインナーの缶詰、 MIller Genuine Draft Beerを買って、マッチを尋ねたらただでくれた。 製氷機からバケツ一杯の氷をとって来て、ゆでたソーメンを突っ込み、キットについていた麺つゆと氷ををカップに入れ、冷えたソーメンをビールと一緒に食べる。こんなところでは非常に贅沢な事をしているように思う。今度一緒に来る友人にアメリカ料理に飽きた頃に、ホテルルーム内で作ってびっくりさせてやろう。 缶ウインナーをソーメンつゆに漬けて、ライスと一緒に食べるのは格別な味だ。ちょっと日本でもやった事がない。ビールが$1.3、缶ウインナー$1.05、ソーメンキット$1.5、携帯燃料約$0.5、ライス$1.4 、total $5.75悪くはない。 腕時計アラームを朝の8時にセットし、枕元のライトを消すと他愛もなく眠ってしまった。 |
アラームが鳴るまでもなく目が覚める。 この季節エアコンをつける事もなく、裸のままで眠る事が出来る。大変快適だ。スーツケースへのパッキングはそろそろフルになったのでよく考えて詰めないと。 シャトルの時間をフロントに聞くと 「次は8時半。」 と、てきぱきと優しい応対の女性だった。 大韓航空カウンターの女性に、事務所でただ一人の日本人女性を呼んでもらう。 もう10数年来の知り合いで、古参の小柄なブレンダとも非常に親しい。本来、日にち変更が出来ない設定のチケットを何回も変更。オーバーウエイトにも目をつぶったり、減量してくれた。本当は、到着のその日に連絡して「滞在中、食事を共ににしよう」と話をしていたのだが、今回も出来なかった。次回は、食事を一緒にして楽しい時間を持とう。 VIPラウンジにモーニングコーム待遇の人が続々と集まって来た。 本来、人の集まるがやがやしたところが嫌いなので、受付女性に 「以前ファーストクラス席を使わしてもらったけど、どうなの?」 と聞くと、 「ゴールドカードの会員は現在のワンステップアップのクラスのラウンジを使用可能ですが、いいですよお座りになっても。」 と気を利かしてくれた。 搭乗窓口には細身のMR、Wokさんがチケットをチェックしていた。 この人とも知り合って長い。出発10分前なのに、手荷物チェックを受けずに下の売店でうろうろとしていたのを見つけて、一緒に飛行機のドアまで走ってくれたのもこの人。かなり怒っていた。 時折、菓子屋で買ったキャンディの詰め合わせを受付カウンターの女性全員にあげたりしたら、隣のカウンター女性が 「この人がキャンディの人?」 と前の女性に聞いていた。 以来、大韓航空空港オフィスの女性とは仲が良い。 カウンターの女性に頼み、取ってくれた席は、エクゼクティブシートから5列目(到着すると早く出れる、機内映画のスクリーンから遠くも近すぎもない)、通路から右1席目(トイレに出るとき誰も邪魔しない、映画を見るのに好位置)。おまけに右1席を誰も座らせないようにブロックしてくれた。オーバーブッキングでエコノミーの誰かをアップグレードしなくてはならないとき、一番先に順番を回してくれたことも3度ある。 |