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ネット選挙




今回の参議院選挙から日本でもインターネットを使った選挙が解禁になりました。ネット選挙の歴史や各国の状況、メリットとデメリット。今回のネット選挙でできることとできないことなどを特集しました。


1)インターネット選挙の歴史
インターネットを使った選挙運動が最初に行われたのはアメリカ合衆国で、
 1990年代の大統領選挙、上院議員選挙、州知事選挙での候補者が活用し始めた。
 1992年民主党の大統領予備選でブラウン候補が電子メールによる選挙運動を行った。
 1996年の大統領選挙では主要候補はホームページを開設した。ホームページでは、政策、経歴、自他候補の発言などを掲載、ボランティアの募集も行った。
 2005年になるとTwitter、Facebook、Youtube等のSNSが急速に普及しはじめた。
 2008年にオバマ大統領が行った「ソーシャル選挙」はSNSを使った効果的なPR戦略と共に小口献金をサイトから簡単にできるシステムを用意し、多額の献金を集めた。
 2012年の大統領選挙は「ビックデータ選挙」と言われ、潜在的有権者に関する膨大なデータベースを統合、分析、年齢、性別、過去の投票行為、Facebookの連絡先などの個人情報に応じたメッセージを有権者に配信すると共に、データベース分析で得た情報を元に、地域、人種、性別、職業、趣向等により、有権者のグループ化を進めグループ専用のコンテンツを受信できるようにして、より強固な交流サイトを構築し、選挙運動に活用した。IT資源の有効活用で選挙に掛かる費用の削減にも成功している。

 イギリスは1997年に「最初のインターネット選挙」が行われ、各政党がホームページや電子メールを使った選挙活動を行っているが、マスメディアが政党色が強く、選挙費用の制限もありあまり積極的には活用されていない。

 フランスは2002年の大統領選挙からホームページやブログが使われ始めたが、インターネットの普及が遅れているため低調であったが、近年インターネットの普及が進みネットへの関心が高まっている。

 ドイツでは、1990年代半ばから政党のホームページ等が開設され、特に社会民主党のブログが充実していた。現在多くの候補者が自分のホームページやブログを持っており、今後活発に活用されると思われる。

 韓国は2000年から活用されはじめた。インターネットの普及率が高いため、選挙運動においてインターネットは有力な手段として活用されている。候補者、政党がインターネットを通じて選挙運動を展開するだけでなく、有権者がインターネットでの情報や意見の交換をしている私的応援団の性格を持つグループがいくつも存在し、特定候補に対する支持運動が活発に行われた。
 インターネットの普及により、インターネットを活用した選挙は、単に政策や発言を有権者に知らせるだけでなく、選挙ボランティアの募集や選挙献金の集金にと間接的なものから、ネット上にある膨大なデータベースを統合、分析し、個人に直接訴える道具としても活用されている。

※詳しくは「米国のネット選挙運動の歴史をまとめたインフォグラフィック(http://www.seojapan.com/blog/election_online)」、「諸外国のインターネット選挙運動(http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0518.pdf)」参照
2)各国のネット選挙規制
a)アメリカ合衆国の場合:インターネット選挙運動の手段・方法に関する規制はほとんどない。
b)イギリスの場合:インターネット選挙運動の手段・方法に関する規制はほとんどない。ただし、選挙運動費用に関して厳格な規制があり、候補者はより効果の高い手段に資金を使用せざるを得ず、効果が立証されていないインターネットへの投資は限られている。
c)ドイツの場合:インターネット選挙運動の手段・方法に関する規制はほとんどない。
d)韓国の場合:インターネット選挙運動の手段・方法に関する規制がある。候補者はホームページ、掲示板、チャットルーム、電子メールを利用して選挙運動が行える。ただし、インターネットを通じて候補者等の誹謗・中傷・虚偽の事実の流布は禁止されている。選挙管理委員会は違反する情報がホームページにか掲載された場合は、その削除を要請できる。

※詳しくは「諸外国のインターネット選挙運動(http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0518.pdf)」参照
3)ネット選挙のメリット、デメリット
・メリット:費用が安い。特定の有権者グループに訴えることができる。有権者の交流サイトを作りやすい。有権者と候補者の対話が可能だ。意見が述べやすい。いつでも候補者の政策や発言を聞くことができる。
・デメリット:ネット環境がないと使えない。マスメディアのようにいっぺんに多くの有権者に訴えることができない。なりすましや誹謗中傷がある場合がある。

※詳しくは「ネット選挙のメリット・デメリット(http://matome.naver.jp/odai/2125731330340563944)」参照
4)今回の参議院選挙のネット選挙について
・有権者は、ウェブサイト等を利用した選挙運動ができるが、電子メールを利用した選挙運動は禁止。
・候補者・政党等は、ウェブサイト等及び電子メールを使った選挙運動ができる。ただし電子メールは有権者が候補者・政党に自身のアドレスを通知し、受信に同意した相手にのみ送信できる。
・未成年者の選挙運動は禁止。
・ホームページや電子メールを印刷しての配布は禁止。
・選挙運動期間外の選挙運動は禁止。
・候補者に関し虚偽の事項を公開した場合は処罰される。
・氏名を偽って当選させる、当選させないの目的を持って通信した場合は処罰される。
・悪質な誹謗中傷行為は処罰される。
・候補者のウェブサイトを改ざんすると処罰される。

※詳しい内容は総務省の「インターネット選挙運動の解禁に関する情報(http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10.html)」参照